☆ 月と太陽は現世で再び巡り逢う ☆
☆月と太陽は現世で再び巡り逢う Tweetlog
20250801ツイートlogより抜粋
線香より此方側:風見春
○2025-08-01 5:37
シドは「風見春」という現代軸の名前が付いています。 本人は夏生まれなんですが。 春に生まれてほしかった子どもの名を与えられたことを彼は知らない。
○2025-08-01 5:37
彼は、生みの親の顔を知らないから。 そんな経歴を、彼は他人に話したことなんてなかった。 その呑みの席で、初めて。
○2025-08-01 5:50
「俺、親の顔知らないんすよ」 「ほぉ?」 「…(口許隠照」 「春殿、如何した?」 「照)…いや、酔ってんのかな」 「酔っとるんじゃろうのぉ。貴様、顔がそこの花のように紅いわ」 「ハイビスカス見)はは…」 「東雲殿、ちと揶揄い過ぎじゃ」 「かんらかんら)ならば」 「?」 「貴様、寄席は?」
○2025-08-01 6:03
自分のことを話すなんて思わなかった。 目上の他人と関わり合いを持つことには慣れている。 だが、この御仁達は。 「春殿は、齢幾つかの?」 「二十六ですね」 「ほぅ? では儂の孫と然程変わらんのぅ」 「はは。そうでしょうね」 「兄の輪太と…特に妹のひまりはの、親の顔を知らん」 「驚)え」
○2025-08-01 6:10
「ワシの弟子にも居るでな。お喋りの過ぎる、コレにうってつけのやつがのぉ」 「汗)意外と境遇近いひとが居るもんすね」 「ハル貴様、若し来れるならば楽屋にも来い。ワシのその一番弟子を寄越す」 「券ぴら)んー。多分行けますね」 「楽しみにしておけよ?」 「にか)是非とも宜しくお願いしゃす」
○2025-08-01 6:18
「本来は儂が礼をすべきところ、此奴の騒動に付き合わせてすまぬのぅ」 「微笑)いえいえ。夜明さんも大事に至らなくて良かった」 「重ね重ね、春殿には感謝の程も尽くせぬ」 「夜明、貴様もそろそろ引導を渡す頃合いか」 「揶揄うな。儂は未だ呑める(くび」 「酒は冷酒に限るじゃろ(呑」 「はは」
○2025-08-01 6:24
縁がどこで結びつくかなんて判らない。 でも、このとき結び付いた縁だけは、今までとは違う。 大事にしなくてはならない。 愛でなくては。 「はっ」 「振向)おっ?」 「『風見春』さまでございますねっ」 「頷)」 「東雲紫電の弟子、小雷でございますっ。本日は御足労戴き、誠に感謝致しますっ」
○2025-08-01 6:38
「風見さまは」 「にこ)あー、『春』でいいですよ」 「左眼きゅるん)春は普段、このような御所には」 「あまり縁はないですね」 「ふふっ。それでは本日、この雅樸なる一幕を是非とも御楽しみくださいませっ(御辞儀」 「御辞儀)是非とも、楽しませて頂きます」 「にこ)」 「にか)」
○2025-08-01 6:55
“彼”だけが独りであることを後から知った。 〈光〉にはそれぞれ連れ合いが居て、“彼女”だけが。 「考)んー」 「どうされました?」 「例えば、招けば来てもらえるんすよね」 「はい! 御依頼戴ければっ」 「うちの部隊に来てもらおうかな…」 「御部隊です?」 「にか)今度、依頼出しますんで」
○2025-08-01 6:59
この縁は。 ふいにしてはならない。
○2025-08-01 7:37
「衣舞…?」 「わたくしの、本名…ですね」 「診察券返)俺ももう一つ、仕事での名前があるぜ?」 「そうなのです?」 「にか)『シド』ってさ。元ネタは、俺の好きなゲームのキャラクターの名前な」 「そうなのですか?」 「一番ハマったゲームだし、映画公開んときも何度も観に行ったよ」
○2025-08-01 8:29
たとえ、突っぱねられたとしても。 「わたくしは…子を授かることができません」 「知ってるよ」 「こんな身体であるから、というわけでは有りません…御師匠様に拾って頂いたからこそ、その御恩を生涯掛けてお返ししたく」 「判ってる」 「春…?」 「人生ってのは、どうにもならない時があんだよ」
○2025-08-01 8:40
「左眼瞬)」 「優眼)そん時に、背中預けられるやつが隣にいたっていいだろ?」 「背中…」 「俺がその背中になる。気が引けんなら、契らなくても良いさ(薬指振」 「戸惑)」 「俯)…悪りい。俺が、手離したくないだけだ」 「眼瞬)春」 「目閉)お前との縁を、切りたくないだけだよ…」 「にこ)」
○2025-08-01 8:45
振り返れば、仲間も。 「ハルの兄貴!」 「よっ、学。これ、海外土産な(ひょい」 「きゃっち)あす! あざます!」 「お疲れ様です、兄貴」 「おう、ヘビー。今日も最高のグルーヴ、期待してんぜ?」 「ぁす」 「にしても、兄貴がひまり姐さんとこのじーさんと知り合いだったなんて驚いたっす!」
○2025-08-01 8:50
「そりゃあ俺のセリフだよ。まさか、ひまりさんの旦那さんとお前が繋がってたなんてさ」 「俺様と陽之守さんは、大学の頃からお隣ルームメイト繋がりっすよっ!」 「はは。世の中って、案外狭いもんだな」 「最近は、ひまり姐さんのがきんちょに絵を教えてんす!」 「そりゃあ良いや」 「あっす!」
○2025-08-01 9:01
「ヘビーんとこの従姉妹はどうよ? ひまりさんの子どもらとも交流あんだろ?」 「夢香は、光陽のボイスが気に入ったみたいですね」 「夢香も、声が戻ると良いよな」 「…あざっす」 「でも、まさかお前が夢香のためにボイスアプリ作るなんてさ」 「そのくらいしますよ」 「にか)流石だな」 「ぁす」
○2025-08-01 9:14
その繋がりを。 その手を差し伸べてなかったら、触れることさえなかった所縁を。 貴方と、もう一度。 話がしたかった。 「本日は、じいちゃんのために来てくださってありがとの、風見殿」 「いえ。俺も大変お世話になりましたから」 「嬉涙ぽろ)あーじいちゃん、呑み友がきておるぞー」 「微笑)」
○2025-08-01 9:19
「じいちゃんも、風見殿が手助けしてくださらなかったら、こんなに長生きできなかったかもしれんのー」 「そう思ってくださるなら、有難いですね」 「それに、小雷ちゃんのことものー❤︎」 「衣舞はほら、独りで頑張り過ぎますから」 「そーなんじゃよ…よくぞ見抜いたのー、風見殿」 「頭掻)はは」
○2025-08-01 9:26
「春さん」 「よっ、望。元気にしてっか?」 「春さんもお変わりなく」 「腹違いの兄貴はどうよ? 今日は来れねえのか」 「店も忙しいですからね」 「そっか。お子さん全員巣立ったんだから、こっちにも顔出せよな」 「伝えておきます」 「いや、俺が今度店顔出しん行くわ」 「そうですか」 「おう」
○2025-08-01 9:39
店の扉がからりと鳴る。 店主の穏しい挨拶が顔を上げる。 「やぁキミか」 「よっ、樹」 「お帰り、春」 「春さ〜ん、おつかれさまです〜」 「ご無沙汰です、蜜さん」 「キミが顔を出すなんて珍しいね?」 「お前がこっから動きゃしねーからだよ」 「あはは、ごめんね」 「ったくよお(カウンター坐」
○2025-08-01 9:48
「メニュー差出)メニューをどうぞ〜」 「受取)あざっす!」 「キミは顔を出してきたのかな?」 「当たり前だろ? 師匠共々すげー世話になったんだから」 「そっか」 「樹、お前も顔出せっての」 「行けるなら行きたかったよ?」 「来いよ! お前だって世話に」 「人差指口許当)静かに」 「おう」
○2025-08-01 9:53
「あのときはですね〜」 「おっ?」 「蜜の検査入院が長引きまして〜」 「はっ)えっ…」 「だから、行くことが出来なかったんだ(珈琲差出」 「そう、だったのか…そりゃ悪りい」 「首振)ありがとう。キミが顔を出してくれたなら、良かった」 「お前の分も挨拶したさ…(珈琲口付」 「うん」 「飲)」
○2025-08-01 12:11
「…ああ、美味え」 「そっか」 「『人生のような味がします』って言ったら、お前の息子、反応したぜ?」 「それは何かの台詞なのかな?」 「アニメのキャラのセリフだよ」 「へぇ」 「でもさ、これまた好い酒出してくれるんだよなー」 「あはは。早苗は頑張り屋さんだからね」 「お前に似てるよ」
○2025-08-01 12:16
「そうかい?」 「似てる似てる。ワーカホリックなところとか特にな」 「それはキミもじゃないかな」 「俺はちゃんと分けてるからセーフ」 「今度、早苗にそれとなく教えてあげてね」 「うし、“節度ある”大人の愉しみ方でも教えてやるよ」 「あはははっ」 「そんなに笑うなよ」 「キミが言うからだよ」
○2025-08-01 12:22※追記有り
「俺ももーすぐ五十になるからさ」 「早いものだね…あ、そうだ。蜜さん」 「は〜い」 「少しだけ、外してもらえるかな」 「判りました〜(扉向」 「見上)何だよ、急に」 「プレート『closed』)」 「キミとの縁も不思議なものだなって」 「そりゃ俺のセリフだよ。こんな五つも歳上の人にさ」
○2025-08-01 12:27
「うん」 「こんなに容赦ねえの、俺が一番驚きだよ」 「あはは」 「鋭眼)マジでこれからも容赦しねえよ?」 「どうぞ。僕も容赦しないよ」 「振向)蜜さんも、よくこんなのと結婚したな?」 「それが、いつきさんの魅力なのですよ〜」 「あはは」 「ほんとまあ…人間二十歳過ぎたらみんな一緒だしな」
○2025-08-01 12:31
「キミは結局、籍も入れないままなのかい?」 「そのほうが動き易いならそれでいいさ」 「彼女の仕事なら仕方ないのかもしれないね」 「…俺は、早期退職になるよ」 「…そっか。キミの役職なら」 「そのときに、もう一度話すつもりだ」 「うん」 「あいつ、未だに当時のネームで呼んでくれっからさ」
○2025-08-01 12:34
「当時?」 「昔、衣舞の本名を知っちまったときに、あいつが苦い顔すっからさ。当時の俺の仕事のネーム教えたんだよ」 「へぇ」 「…何だよ」 「いや? きっと『なんて名前だったんだい?』って聞いても、教えてくれないだろうなって」 「ったりめーだよ。お前になんか教えるかよっ」 「あはははっ」
○2025-08-01 12:38
「扉開)それでは、お先に失礼しますね〜」 「あざっす! お疲れ様です!」 「うん。ありがとう」 「ではでは〜(扉閉」 「お疲れ様」 「手振)」 「早速だけどさ」 「僕でいいのかい? キミは堀山さんも頼れるだろうに」 「ヘビーは今、夢香のことで手一杯だからよ」 「そっか」 「っつーことで」
○2025-08-01 12:56
「うん」 「紙差出)作曲の仕事だ、『fragile』」 「紙受取ぴら)…了解」 「本職しながらやれるか?」 「細目緩)任せて」 「お前もよく働くよな」 「キミも似たようなものじゃないか」 「俺は好きでやってっから良んだよ」 「それなら、僕も同じだね」 「…で、復縁すんのかよ」 「…唐突だね」
○2025-08-01 13:01
「蜜さんとの縁、切ったらマジで赦さねえからな」 「…相変わらず、容赦無いね」 「俺は、そんなお前と出会えて良かったよ」 「そうかい?」 「あぁ。じーさんとも」 「微笑)」 「あのひとの手を取ってなかったら、きっと俺はここにいない」 「そっか」 「生まれてきて良かったって、今なら思えるよ」
○2025-08-01 13:37
「…そっか」 「なぁ、樹」 「何かな」 「今度さ、ひまりさんが所属してる劇団で、また面白そうなの演んだよ」 「へぇ」 「『復活祭』の日に突如現れた双子のお化けらから『空』を取り戻したい飛行士と、雲の精霊が共闘する友愛劇だってよ」 「そっか」 「日叭さんの話好きなんだよなー」 「あはは」
○2025-08-01 14:56
「じゃ、そろそろ戻るよ」 「うん」 「お前の息子の店には結構立ち寄るんだけどさ」 「…ありがとう」 「頭掻)いつネタバラそうかなって、ちっと考えてる」 「そうなんだね」 「まあ…うまくやるさ」 「楽しみにしてるよ」 「…身体に気を付けろよな」 「それはお互い様だよ」 「にか)」 「微笑)」
○2025-08-01 15:01
「そんじゃな」 「キミは」 「振返)おっ?」 「望に似てるね」 「そっか?」 「望よりも、一輝さんに似てるかもね」 「一輝さんか…結局、お会いしたことなかったんだよな…」 「そっか…」 「映画だけ観たよ。望に教えてもらった『晦の月』」 「一輝さんの殺陣が華やかで」 「そそ。格好良かった」
○2025-08-01 15:06
「あはは」 「なあ樹。いつか、お互いに暇が出来たら付き合えよ」 「どうかな」 「付き合えって。今度呑みに行こうぜ」 「考えておくよ」 「考えとけよ! じゃ、お疲れ!(扉開」 「お疲れ様」 「扉閉)」 「…(コーヒーカップ引取」 「…会いに来てくれて、ありがとう。春」 「シンク水流)」
○2025-08-01 15:06
多分、描き逃したものはないと思います気が付いたらサイトで書き足します。 あと、「なき)」になってますが「にか)」の間違い。多分、フリック回数逆にしました… ※修正済み「ヘビーんとこの従姉妹はどうよ? ひまりさんの子どもらとも交流あんだろ?」 「夢香は、光陽のボイスが気に入ったみたいですね」 「夢香も、声が戻ると良いよな」 「…あざっす」 「でも、まさかお前が夢香のためにボイスアプリ作るなんてさ」 「そのくらいしますよ」 「なき)流石だな」 「ぁす」
○2025-08-01 14:45
朝からちょいちょいキャラツイ。 『風見春』としての物語は、僕が全く知り得ない役職の話になるので、外側のことを調べただけの文字通りの『創作』です。調査不足は承知してます。 その上で、やっぱり書きたかった彼の人生のひと流れ。どうか悪しからず。