重なる記憶は、どちらも別れの汀。
墜落して〈雪景〉に投げ出されたときも、同じように。
『……あぁ、〔蜜酒〕のお蔭で、御身体は凍り付いてはいないのですね』
空から音が降ってくる。
『貴方の〈コア〉は、わたくしが必ず〔浄化〕致しますので……』
糸の解れる音が弾けた。
胸許のあたりで、確かに。
痛みはひと刺し、滲むより石火の如く。
身動ぎもする力は無い。
——イヴ。悪りいな。最期まで。
冷たいものが体内に滑り込んでくる。
かつて、感じたことのある水の御手。
同僚の指先。
——なあ、イヴ。
更に深く。
芯が冷たくなる心地。
——俺は……
三本のひんやりとしたものに挟まれた気がした。
ひんやりとしているのに、感触は暖かい。
——俺のこの〔想い〕は、一体どこから湧いてんのかな……
弾ける感覚が再び、青天の霹靂の如く。
水塊と共に〔魂〕を引き抜かれる〔想い〕を思い出して。
それきり。